ドラクエ10考察 Part3 職業システムは設計をやり直す必要がある

投稿者: | 2013/02/04

ドラクエ10考察のPart3です。
今回は、現状の職業システムがMMO RPGとして大きな設計ミスを含んでいて、設計をやり直す必要があると考察してみます。

まず、現状のドラクエ10では職業選択の自由はありません。
転職は任意のオプションではありません。義務です。

メインストーリーをクリアしたら終わりというプレイならば、そこまでは転職なしの4人でもなんとかなりそうです。おそらく。
実際そうしていないので可能とは言い切れません、たぶんいけるんじゃないかな?
ここまでならまだ職業選択に自由があり転職は任意なのですが、このゲームはそこで終わっていいようなものではありません。

ひとたびメインストーリーを外れて何かをやろうとする、例えば日々追加されているクエストをやるだけでも望まない転職が必須になってきます。

パッシブスキルを多数取らなければ、戦場にただ立っていることさえも困難なケースにぶち当たります。

そして各職業に散らばったパッシブスキルを取得するため、転職を繰り返してレベリングオンラインが始まります。
何かやっていればついでにレベルがあがるようなシステムではないため、レベルを上げるためだけに戦闘を重ねてプレイ時間のほぼ全てを費やしていくことになります。

気づけば最初にやりたかった職業でプレイした時間の割合が明らかに減っていきます。
このゲームはやりたい職業のプレイ時間よりも、その他の職業のプレイ時間のほうが圧倒的に多くなっていくように設計されているのです。

 
ここで大事になってくるのが、プレイヤーの要求です。

今までのオフライン作品ならば、「ドラクエをやりたい」という要求に応じればいいので、職業システムもひっくるめて「これがドラクエだ」で許容されるのでしょう。
ただ今回のこの作品はオンラインで、MMOスタイルとなっています。
MMOスタイルでは原則として1人が1キャラクターを演じるため、要求は「ドラクエをやりたい」から「ドラクエで○○をやりたい」というものに変化します。

望まない転職を繰り返さなければゲームとして成立せず、やりたい職業をやれる時間が一番少なくなる。
この状態は、MMOスタイルを採用したことによって変化した「ドラクエで○○をやりたい」という
要求を満たせていないことになります

簡単に言うと、オフラインと同じ作りで使い回しなのです。
設計者が今までのドラクエらしさにこだわりすぎて、思考停止と言っていい状態にあるのかもしれません。もしくは手抜きか。

これは開発の上流工程、つまり後から細かいところを少々いじってもどうすることもできない、極めて根本的なところに大きな設計ミスが残っているということになります。
本気でMMOとして10年サービスを提供し続けるつもりならば、早い段階で設計から見直す必要があるのではないでしょうか。